2009年06月28日 13:43
京都の伏見区日野というところは、宇治市の境界にあたるところでもあり、そういう土地柄もあって、ことあるごとに、あるいは、ふと思い立ってふらりと出かけたりすることがたびたびあります。
京都の宇治といえば、”平等院(鳳凰堂)”や”宇治の唐橋”、古典文学のお好きな方なら”源氏物語”を思い浮かべる方もいらっしゃるとは思いますが、
私はもっぱら、山深い陶芸の里、炭山の山間や、志津川沿いをほっつきまわることがその主な目的で、森の木々や、志津川のせせらぎの音や、姿は見えないけれどすぐ近くでさえずる鳥の声などを聴いて楽しむ、といったぐあいです。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川渓流の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
もちろん、山野草を採ったり、野山に咲く花を写真に撮ったりすることは言うに及ばず、ですけれど。
今日の志津川は、いくぶん水かさが増しているようで、せせらぎというには流れが速いようにも思えます。
ちなみに”せせらぎ”という言葉を広辞苑で調べてみると、
せせらぎ … (セセラキとも) 浅い瀬などを水が流れる音。また、その所。小川。小流
とあります。
私は先ほど、”志津川のせせらぎの音”、と書いてしまいましたが、”せせらぎ”にはもともと、ちいさな川を流れる水の音、という意味も含まれているのですから、”志津川のせせらぎの音”という言い回しは、少々野暮ったい表現なのかもしれません。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川のあじさい(紫陽花)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
なんて、つまらないことを考えながら山道を歩いていると、背丈よりも高いところにあじさい(紫陽花)が咲いています。こんなところにわざわざ、あじさいを植える奇特な人もまさかいないでしょうから、自生種ということなのでしょう。
もっと近くで撮ってみたかったのですが、背が届かなくて。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川のわらび(蕨)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
そして、足もとをみると、”わらび(蕨)”です。
さすがにここまで育っては、採って食べる、というわけにもいきませんが、このあたりには、わらび(蕨)だけでなく、セリ(芹)や山ウドなど、季節ごとの山菜がすぐ手が届くところに生えています。
秋になれば、アケビの実もかんたんに見つかりますし、栗の実なんかそこらへんに、ころころ落ちてますし。
宇治川へと注ぐ志津川の水も、こんな山奥でならそのまま飲めるくらいに清く豊かですから、山奥で隠遁生活を送るのにも困らないかもしれません。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川のヒメジョオン(姫女苑)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
梅雨のさなかとは言いながら、日中は30度を上回る暑さが、ここ京都のみならず、日本中のあちこちを覆い尽くしている、といったニュースを聞いて出かけて来たのですが、この志津川周辺は別、といったところです。
青い空を見上げるようにして咲くヒメジョオン(姫女苑)も、心地よさそうです。
そうは言っても、陽射しは誰の頭の上にも、公平に降り注ぎますから、日向に出ればやはり暑いものは暑い。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川の清流の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
渓流に足を入れてみました。
まるで子供みたいですが、こんなことをしていると、いっそ、川へ身を投げた方がなんて思ったりします。
もちろん世を儚んで、という意味ではなく、水遊びがしてみたくて、ですけれど。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
傍らに咲いている黄色い花を撮ってみました。
キツネノボタン(狐の牡丹)です。
キツネノボタン(狐の牡丹 Ranunculus silerifolius)は、キンポウゲ科 キンポウゲ属の多年草で、日本中の水田や水路、溝、畦などに、ごくふつうに生育しています。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
農家の方たちにとっては、田んぼに生えるやっかいな雑草でもありますが、こういった渓流の岩場周辺にも咲いています。
花の後につく果実の形が特徴的で、コンペイトウ(金平糖)に似ていることから、”コンペイトウ草”と呼ばれることもあります。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
ご存知の方も多いとは思いますが、キンポウゲ科の植物には毒があります。それもけっこう強力な植物毒(アルカロイド)です。
同じキンポウゲ科で有名な、トリカブトにはアコニチンという猛毒があります。同じようにこのキツネノボタンにも毒があります。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
キツネノボタンの毒は、プロトアネモニンといいます。
プロトアネモニンは、キツネノボタンの体の中では、ラヌンクリンという配糖体の形で含まれています。このラヌンクリンが、細胞組織の破壊に伴って酵素による加水分解により二次的にプロトアネモニンという毒素に変わります。
つまり、葉っぱをちぎったり、茎を折ったりするとプロトアネモニンが生成されて、その汁液がついた手で目をこすったり、肌の弱いところを触ったりすると、かぶれて赤い水ぶくれができてしまいます。
もちろん食べるなんてもってのほか、です。消化器官がやられます。そんな人はいない、と思っているとけっこうあるのですよ、これが。
たとえば、ほかの安全な山菜、たとえばさっきのわらびとかを採るときに、いっしょにキツネノボタンの葉っぱや茎を引いてしまうとか、ね。
学名に、”Ranunculus(ラヌンクルス)”、という言葉が入っているでしょ、これが有毒成分の”ラヌンクリン”が含まれていることを表しています。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
とはいえ、私の故郷の村では、このキツネノボタンを薬草としても使っていました。生の葉っぱを刻んで手首に貼ると、扁桃炎がおさまるとかでね。
もちろん、今ではそんなことしませんけど。(やってたらまるで”八墓村”です)
ちなみに、キツネノボタン(狐の牡丹)という名前は、葉の形が牡丹に似ているから、といわれてますがどこをどう見ても牡丹の葉には見えてきません。
なにか他の由来があるのかもしれませんね。
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京都の宇治といえば、”平等院(鳳凰堂)”や”宇治の唐橋”、古典文学のお好きな方なら”源氏物語”を思い浮かべる方もいらっしゃるとは思いますが、
私はもっぱら、山深い陶芸の里、炭山の山間や、志津川沿いをほっつきまわることがその主な目的で、森の木々や、志津川のせせらぎの音や、姿は見えないけれどすぐ近くでさえずる鳥の声などを聴いて楽しむ、といったぐあいです。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川渓流の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
もちろん、山野草を採ったり、野山に咲く花を写真に撮ったりすることは言うに及ばず、ですけれど。
今日の志津川は、いくぶん水かさが増しているようで、せせらぎというには流れが速いようにも思えます。
ちなみに”せせらぎ”という言葉を広辞苑で調べてみると、
せせらぎ … (セセラキとも) 浅い瀬などを水が流れる音。また、その所。小川。小流
とあります。
私は先ほど、”志津川のせせらぎの音”、と書いてしまいましたが、”せせらぎ”にはもともと、ちいさな川を流れる水の音、という意味も含まれているのですから、”志津川のせせらぎの音”という言い回しは、少々野暮ったい表現なのかもしれません。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川のあじさい(紫陽花)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
なんて、つまらないことを考えながら山道を歩いていると、背丈よりも高いところにあじさい(紫陽花)が咲いています。こんなところにわざわざ、あじさいを植える奇特な人もまさかいないでしょうから、自生種ということなのでしょう。
もっと近くで撮ってみたかったのですが、背が届かなくて。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川のわらび(蕨)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
そして、足もとをみると、”わらび(蕨)”です。
さすがにここまで育っては、採って食べる、というわけにもいきませんが、このあたりには、わらび(蕨)だけでなく、セリ(芹)や山ウドなど、季節ごとの山菜がすぐ手が届くところに生えています。
秋になれば、アケビの実もかんたんに見つかりますし、栗の実なんかそこらへんに、ころころ落ちてますし。
宇治川へと注ぐ志津川の水も、こんな山奥でならそのまま飲めるくらいに清く豊かですから、山奥で隠遁生活を送るのにも困らないかもしれません。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川のヒメジョオン(姫女苑)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
梅雨のさなかとは言いながら、日中は30度を上回る暑さが、ここ京都のみならず、日本中のあちこちを覆い尽くしている、といったニュースを聞いて出かけて来たのですが、この志津川周辺は別、といったところです。
青い空を見上げるようにして咲くヒメジョオン(姫女苑)も、心地よさそうです。
そうは言っても、陽射しは誰の頭の上にも、公平に降り注ぎますから、日向に出ればやはり暑いものは暑い。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(志津川の清流の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
渓流に足を入れてみました。
まるで子供みたいですが、こんなことをしていると、いっそ、川へ身を投げた方がなんて思ったりします。
もちろん世を儚んで、という意味ではなく、水遊びがしてみたくて、ですけれど。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
傍らに咲いている黄色い花を撮ってみました。
キツネノボタン(狐の牡丹)です。
キツネノボタン(狐の牡丹 Ranunculus silerifolius)は、キンポウゲ科 キンポウゲ属の多年草で、日本中の水田や水路、溝、畦などに、ごくふつうに生育しています。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
農家の方たちにとっては、田んぼに生えるやっかいな雑草でもありますが、こういった渓流の岩場周辺にも咲いています。
花の後につく果実の形が特徴的で、コンペイトウ(金平糖)に似ていることから、”コンペイトウ草”と呼ばれることもあります。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
ご存知の方も多いとは思いますが、キンポウゲ科の植物には毒があります。それもけっこう強力な植物毒(アルカロイド)です。
同じキンポウゲ科で有名な、トリカブトにはアコニチンという猛毒があります。同じようにこのキツネノボタンにも毒があります。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
キツネノボタンの毒は、プロトアネモニンといいます。
プロトアネモニンは、キツネノボタンの体の中では、ラヌンクリンという配糖体の形で含まれています。このラヌンクリンが、細胞組織の破壊に伴って酵素による加水分解により二次的にプロトアネモニンという毒素に変わります。
つまり、葉っぱをちぎったり、茎を折ったりするとプロトアネモニンが生成されて、その汁液がついた手で目をこすったり、肌の弱いところを触ったりすると、かぶれて赤い水ぶくれができてしまいます。
もちろん食べるなんてもってのほか、です。消化器官がやられます。そんな人はいない、と思っているとけっこうあるのですよ、これが。
たとえば、ほかの安全な山菜、たとえばさっきのわらびとかを採るときに、いっしょにキツネノボタンの葉っぱや茎を引いてしまうとか、ね。
学名に、”Ranunculus(ラヌンクルス)”、という言葉が入っているでしょ、これが有毒成分の”ラヌンクリン”が含まれていることを表しています。

写真の撮影地 宇治市炭山志津川(キツネノボタン(狐の牡丹)の写真をクリックすると大きな写真でご覧頂けます)
とはいえ、私の故郷の村では、このキツネノボタンを薬草としても使っていました。生の葉っぱを刻んで手首に貼ると、扁桃炎がおさまるとかでね。
もちろん、今ではそんなことしませんけど。(やってたらまるで”八墓村”です)
ちなみに、キツネノボタン(狐の牡丹)という名前は、葉の形が牡丹に似ているから、といわれてますがどこをどう見ても牡丹の葉には見えてきません。
なにか他の由来があるのかもしれませんね。
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